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副シャン前提でシャンA。
「んっ……あ、ぅ……」
腹の上に跨った黒髪の青年の唇の隙間から僅かに零れる声に、ベッドに寝転んだ男は小さく笑った。
「んんっ……あっ」
「んー、いいねぇ……」
ボソッと呟いた男を、濡れた黒い瞳が訝しげに見る。
「な、に?」
「何でもねえよ。ホラ、集中してろって」
「集中、してねえ、の、アンタ……の方だろ……」
ニヤニヤと笑って自分を眺めている男の腹にグッと爪を立てた。
エースはコトの最中にあまり声を上げない。ベラベラと関係ないことを話したり文句を言ったりはよくしているが、『嬌声』は殆ど上げない。
「そんなことねえって。俺オマエに夢中だもん」
ムチュームチュー。
バカにした様に唇を尖らせてそう言ったシャンクスをエースは眦を濡らした目で睨みつける。
何が「だもん」だ。三十半ばのオッサンが言う台詞か。
ギュッと眉を顰めてゆっくりと息を吐く。
「なぁ……」
「ん?」
「コレ、外してよ」
引き締まった腹筋の上に置かれた手を示す。
「ヤりにくいんだよ。……イテエしさ」
「ウソツケ。イテエわけあるか」
エースの両手に取り付けられた細い手錠。手錠としては華奢な形をしているそれは、豪腕な者ならば、力任せにひん曲げることだって出来るだろう。
だが、その材質は海楼石と呼ばれる特殊な石。悪魔の実の能力者にとっては天敵と言える物質だ。
「罰だって言っただろ?」
口元を意地悪くゆがめたシャンクスが身体を揺すると、跨っていたエースが呻いた。
「う……ぁ、でも、これ……イヤダ……」
海楼石は能力者の力を奪う。いつもならば我慢できることも堪えられなくなる。
「バッカだなぁ、オマエ。やなコトだから罰になるんじゃねえかよ」
スケベったらしく笑ったシャンクスを呆れたように見やったエースは、するりと腰を撫でられてビクリと身体を揺らした。
「ほんっと、ロクデナシ……だな、アンタ」
この船に能力者が乗っていないことはエースも知っている。
つまり、おそらく、このオモチャはエースの為に用意されたものなのだろう。コレを手に入れて自分をヤっているところを想像してニヤニヤしているシャンクスを想像するとゲンナリする。この手錠が海楼石で出来ていると知っていたら、大人しくつけることを了承したりしなかったのに。
「……て、やる……」
「ん?」
「あとで……副船長に、言いつけてやる」
「……えー……」
別に怒りはしないだろうけど。
怒らないけれど、ベックマンは地味にヤキモチを焼く。
それは、いつもはベックマンがやってくれる書類作業が船長室の机に積まれていたり(其の仕事は元々船長がやるべき仕事なのだが)、暇つぶしのカードゲームでシャンクスからばかり金を巻き上げたり(もちろんそれは副船長の実力なのだが)、ベッドの上で必要以上に焦らされたり(コレに関しては果たして効果的かどうかは疑問だが)。実に、地味だ。初めのころはソレがヤキモチだと気付かなかったほどに、地味だ。
まあ……慣れると可愛いと思えないことも無いが。
「外…せってば」
「あー、判った判った」
シャンクスは片手を伸ばしてふと気付く。
「あ」
エースは早く外せ、と睨みつけるエースにシャンクスは困ったように笑った。
「シマッタ、鍵がねえ」
「……は?」
「いや、だからさ。コレこの前潰した船で拾ったんだよな。だから、鍵がねえの」
「……ば、バッカじゃねえの!?」
思わず叫び、それからよろよろとシャンクスの胸に倒れこむ。
「んっ……じゃあ、壊せばいいだろ」
手錠を壊すのは簡単だ。シャンクスなら二つの輪を繋ぐ鎖を引きちぎることぐらいどうってことはない。だが、輪の部分を片手で捻って壊すのは難しい。只の手錠ならば左右の輪が離せれば用を成さなくなるが、この手錠はエースの肌に触れている限り効力を維持する。
「……ワリィ、無理だ、そりゃ」
「ちょ、え?」
「後で誰か呼んでやるから、我慢してろ」
「……嘘だろぉ?」
そんなの、いろんな意味で冗談じゃない。このまま海楼石で力の抜けた身体をオッサンの好きなようにされるのも嫌だが、幾ら周知の事実とは言え、事後の姿を見られるのはもっとゴメンだ。
「ヤダってば!」
「諦めろ」
「あっ……う、んっ…!」
身体をひっくり返され、思う存分抜き差しされながら、エースはシャンクスへの報復を心に誓っていた。
船に戻ってきた副船長は、船長が帰ってきていることを聞かされて軽く目を見開いた。
「……参ったな、嵐になりそうだ」
ボソッと呟いた声を聞いて、ヤソップが喉を鳴らして笑った。
「そうでもねえぞ」
「?」
「お頭は一人で戻ってきたわけじゃねえんだな、コレが」
そう言って指し示された方向に特徴的な小船がおいてあるのを見て、ベックマンは納得したようだ。
「たまたま港で会ったらしいぜ」
「そうか。で、お頭は船を出していいと言っていたか?」
「言ってねえけど、いいんじゃねえの?アレがありゃエースはどっからでも帰れんだし」
それもそうだ、と副船長は今頃船長室で二人がしているであろうアレやコレやを頭から締め出し、出航の指示を出し始めた。
外海に出て、船が無事予定の航路に乗ったところで、副船長は自室へと向かった。
「ベック、ベック」
自室のドアを開けようとしたところで、廊下の先にある部屋のドアが少しだけ開いてひょっこりと赤い頭が覗いているのに気付いた。
「なんだ?」
「ちょっと」
手招きをされ、ベックマンは嫌な予感がしながらもそちらに向かう。
「……アンタなぁ……」
船長室のベッドの上では、エースがぐったりと横になっていた。
「一体なにをしたんだ?」
「……いやぁ、ちょっと遊ぼうと思ったんだけどさぁ」
取れなくなっちまった、と笑いながら経緯を話すシャンクスに、ベックマンは眉間に深い皺を刻んで煙草を咥えた。
なるほど、エースがぐったりとしているのは情事のせいだけでなく海楼石の影響らしい。
「取ってやってくれよ」
「……ったく」
くだらない遊びを思いついては尻拭いをさせるのだから。
それにしてもエースの身体は情事の跡がしっかりと残ったままだ。人に観られたい姿ではないだろうに。流石にエースが気の毒になる。
「俺を呼ぶ前に後始末ぐらいしてやったらどうなんだ」
「してやろうと思ったんだけどなぁ、ちょうどオマエが戻ってきたからサァ」
早く外してやったほうがいいだろ?
後はヨロシク、と手をひらひらと振り、シャンクスはバスルームへと入って行った。
「ん……?」
グイグイと腕を引っ張られるような感覚に意識を引き戻された。
「起したか?」
真上から聞こえる声にハッと目を開ける。
ベッドに腰掛けた副船長がエースの腕を引っ張っていた。どうやら腕につけられた拘束具を外してくれているらしい。
「オッサンは?」
ベックマンは黙ってバスルームのドアを示した。バシャバシャと派手な水音が聞こえる。
チラリと自分の身体を見れば、一応の後始末はしてくれたようだ。
流石に副船長にあんな姿は見られたくない。
ベックマンはエースの腕を膝に乗せて真面目な顔でカチャカチャと手錠を弄っている。力任せに壊すのかと思ったが、どうやら工具を使って鍵を開けているようだ。やはりこの男は真面目だな、とエースはニヤニヤする。
「どうした?」
まだ力が入らないままのエースはベックマンの膝に頭を乗せた。
「この方が楽ちん」
ベックマンは肩を竦めただけで好きなようにさせている。
数分もかけずに、ベックマンはエースの腕につけられた手錠の鍵を外した。
「あー……しんどかった」
「やはり辛いのか?」
「んー、辛いっていうか、ダルい」
うっすらと跡の付いた手首をブラブラと振る。
「それにさ、俺たちの職業だと長い時間自由がきかないのって、なんかイライラしねえ?」
「……そうだな」
他人にものを強制されるのが嫌いな生き物だ。
ベックマンにしてもエースにしても、己に命令を下せるのはたった一人の男だけだと決めている。
エースの頭を膝に乗せたまま、ベックマンが煙草を咥える。火を点けようとしたベックマンの手を止めて、エースが指先で火を点けた。
「あのさ」
「なんだ?」
「……あのオッサン、叱っておいてよね」
拗ねたような口調にベックマンはクスッと笑った。
「……了解した」
バタン、と音がしてバスルームから素っ裸のシャンクスが出てきた。ベッドの上の二人を見て一瞬ムッとする。
「人のベッドでなにしてる」
「アンタの言いつけどおり、手錠を外していただけだが」
「ふん、で、外れたのか?」
エースは手を上げてプラプラと振ってみせた。
「だったらさっさとベッドから降りろ」
唇を尖らせて言うシャンクスにエースはブハッと噴出し、それから風呂を借りるよ、とベッドから降りてバスルームへと入って行った。
「お頭」
「なんだ?」
「オフザケも結構だが、程ほどにしないと火傷するぞ」
「待て」
シャンクスは立ち上がろうとしたベックマンを引き止め、それからゴロリと横になりベックマンの膝に頭を乗せた。
「何のマネだ?」
「……」
「退いてくれ、アンタ髪がびしょ濡れじゃないか。俺の服が濡れちまう」
「……」
「……」
「……」
「……プッ…クク、クククッ……」
先に噴出したのはベックマンのほうで、シャンクスの頭をベッドに落とすとさっさと立ち上がりドアへと向かった。
「服を着たら上に上がって来い。宴会をするんだろう?」
静かに閉められたドアに枕を投げつけ、シャンクスはくしゃくしゃとタオルで髪を拭きながら唸った。
妬くかと思ったのに。
「チクショーッ」
ふがああ!と勢い良く髪を拭くシャンクスは、先ほどまでお遊びに色を添えてくれていたオモチャがなくなっていることにまだ気付いていない。
副船長のブリーチのポケットに忍ばされたそのオモチャは、エースが船を離れた後、依頼通り船長へのお仕置きに使われたのだった。
腹の上に跨った黒髪の青年の唇の隙間から僅かに零れる声に、ベッドに寝転んだ男は小さく笑った。
「んんっ……あっ」
「んー、いいねぇ……」
ボソッと呟いた男を、濡れた黒い瞳が訝しげに見る。
「な、に?」
「何でもねえよ。ホラ、集中してろって」
「集中、してねえ、の、アンタ……の方だろ……」
ニヤニヤと笑って自分を眺めている男の腹にグッと爪を立てた。
エースはコトの最中にあまり声を上げない。ベラベラと関係ないことを話したり文句を言ったりはよくしているが、『嬌声』は殆ど上げない。
「そんなことねえって。俺オマエに夢中だもん」
ムチュームチュー。
バカにした様に唇を尖らせてそう言ったシャンクスをエースは眦を濡らした目で睨みつける。
何が「だもん」だ。三十半ばのオッサンが言う台詞か。
ギュッと眉を顰めてゆっくりと息を吐く。
「なぁ……」
「ん?」
「コレ、外してよ」
引き締まった腹筋の上に置かれた手を示す。
「ヤりにくいんだよ。……イテエしさ」
「ウソツケ。イテエわけあるか」
エースの両手に取り付けられた細い手錠。手錠としては華奢な形をしているそれは、豪腕な者ならば、力任せにひん曲げることだって出来るだろう。
だが、その材質は海楼石と呼ばれる特殊な石。悪魔の実の能力者にとっては天敵と言える物質だ。
「罰だって言っただろ?」
口元を意地悪くゆがめたシャンクスが身体を揺すると、跨っていたエースが呻いた。
「う……ぁ、でも、これ……イヤダ……」
海楼石は能力者の力を奪う。いつもならば我慢できることも堪えられなくなる。
「バッカだなぁ、オマエ。やなコトだから罰になるんじゃねえかよ」
スケベったらしく笑ったシャンクスを呆れたように見やったエースは、するりと腰を撫でられてビクリと身体を揺らした。
「ほんっと、ロクデナシ……だな、アンタ」
この船に能力者が乗っていないことはエースも知っている。
つまり、おそらく、このオモチャはエースの為に用意されたものなのだろう。コレを手に入れて自分をヤっているところを想像してニヤニヤしているシャンクスを想像するとゲンナリする。この手錠が海楼石で出来ていると知っていたら、大人しくつけることを了承したりしなかったのに。
「……て、やる……」
「ん?」
「あとで……副船長に、言いつけてやる」
「……えー……」
別に怒りはしないだろうけど。
怒らないけれど、ベックマンは地味にヤキモチを焼く。
それは、いつもはベックマンがやってくれる書類作業が船長室の机に積まれていたり(其の仕事は元々船長がやるべき仕事なのだが)、暇つぶしのカードゲームでシャンクスからばかり金を巻き上げたり(もちろんそれは副船長の実力なのだが)、ベッドの上で必要以上に焦らされたり(コレに関しては果たして効果的かどうかは疑問だが)。実に、地味だ。初めのころはソレがヤキモチだと気付かなかったほどに、地味だ。
まあ……慣れると可愛いと思えないことも無いが。
「外…せってば」
「あー、判った判った」
シャンクスは片手を伸ばしてふと気付く。
「あ」
エースは早く外せ、と睨みつけるエースにシャンクスは困ったように笑った。
「シマッタ、鍵がねえ」
「……は?」
「いや、だからさ。コレこの前潰した船で拾ったんだよな。だから、鍵がねえの」
「……ば、バッカじゃねえの!?」
思わず叫び、それからよろよろとシャンクスの胸に倒れこむ。
「んっ……じゃあ、壊せばいいだろ」
手錠を壊すのは簡単だ。シャンクスなら二つの輪を繋ぐ鎖を引きちぎることぐらいどうってことはない。だが、輪の部分を片手で捻って壊すのは難しい。只の手錠ならば左右の輪が離せれば用を成さなくなるが、この手錠はエースの肌に触れている限り効力を維持する。
「……ワリィ、無理だ、そりゃ」
「ちょ、え?」
「後で誰か呼んでやるから、我慢してろ」
「……嘘だろぉ?」
そんなの、いろんな意味で冗談じゃない。このまま海楼石で力の抜けた身体をオッサンの好きなようにされるのも嫌だが、幾ら周知の事実とは言え、事後の姿を見られるのはもっとゴメンだ。
「ヤダってば!」
「諦めろ」
「あっ……う、んっ…!」
身体をひっくり返され、思う存分抜き差しされながら、エースはシャンクスへの報復を心に誓っていた。
船に戻ってきた副船長は、船長が帰ってきていることを聞かされて軽く目を見開いた。
「……参ったな、嵐になりそうだ」
ボソッと呟いた声を聞いて、ヤソップが喉を鳴らして笑った。
「そうでもねえぞ」
「?」
「お頭は一人で戻ってきたわけじゃねえんだな、コレが」
そう言って指し示された方向に特徴的な小船がおいてあるのを見て、ベックマンは納得したようだ。
「たまたま港で会ったらしいぜ」
「そうか。で、お頭は船を出していいと言っていたか?」
「言ってねえけど、いいんじゃねえの?アレがありゃエースはどっからでも帰れんだし」
それもそうだ、と副船長は今頃船長室で二人がしているであろうアレやコレやを頭から締め出し、出航の指示を出し始めた。
外海に出て、船が無事予定の航路に乗ったところで、副船長は自室へと向かった。
「ベック、ベック」
自室のドアを開けようとしたところで、廊下の先にある部屋のドアが少しだけ開いてひょっこりと赤い頭が覗いているのに気付いた。
「なんだ?」
「ちょっと」
手招きをされ、ベックマンは嫌な予感がしながらもそちらに向かう。
「……アンタなぁ……」
船長室のベッドの上では、エースがぐったりと横になっていた。
「一体なにをしたんだ?」
「……いやぁ、ちょっと遊ぼうと思ったんだけどさぁ」
取れなくなっちまった、と笑いながら経緯を話すシャンクスに、ベックマンは眉間に深い皺を刻んで煙草を咥えた。
なるほど、エースがぐったりとしているのは情事のせいだけでなく海楼石の影響らしい。
「取ってやってくれよ」
「……ったく」
くだらない遊びを思いついては尻拭いをさせるのだから。
それにしてもエースの身体は情事の跡がしっかりと残ったままだ。人に観られたい姿ではないだろうに。流石にエースが気の毒になる。
「俺を呼ぶ前に後始末ぐらいしてやったらどうなんだ」
「してやろうと思ったんだけどなぁ、ちょうどオマエが戻ってきたからサァ」
早く外してやったほうがいいだろ?
後はヨロシク、と手をひらひらと振り、シャンクスはバスルームへと入って行った。
「ん……?」
グイグイと腕を引っ張られるような感覚に意識を引き戻された。
「起したか?」
真上から聞こえる声にハッと目を開ける。
ベッドに腰掛けた副船長がエースの腕を引っ張っていた。どうやら腕につけられた拘束具を外してくれているらしい。
「オッサンは?」
ベックマンは黙ってバスルームのドアを示した。バシャバシャと派手な水音が聞こえる。
チラリと自分の身体を見れば、一応の後始末はしてくれたようだ。
流石に副船長にあんな姿は見られたくない。
ベックマンはエースの腕を膝に乗せて真面目な顔でカチャカチャと手錠を弄っている。力任せに壊すのかと思ったが、どうやら工具を使って鍵を開けているようだ。やはりこの男は真面目だな、とエースはニヤニヤする。
「どうした?」
まだ力が入らないままのエースはベックマンの膝に頭を乗せた。
「この方が楽ちん」
ベックマンは肩を竦めただけで好きなようにさせている。
数分もかけずに、ベックマンはエースの腕につけられた手錠の鍵を外した。
「あー……しんどかった」
「やはり辛いのか?」
「んー、辛いっていうか、ダルい」
うっすらと跡の付いた手首をブラブラと振る。
「それにさ、俺たちの職業だと長い時間自由がきかないのって、なんかイライラしねえ?」
「……そうだな」
他人にものを強制されるのが嫌いな生き物だ。
ベックマンにしてもエースにしても、己に命令を下せるのはたった一人の男だけだと決めている。
エースの頭を膝に乗せたまま、ベックマンが煙草を咥える。火を点けようとしたベックマンの手を止めて、エースが指先で火を点けた。
「あのさ」
「なんだ?」
「……あのオッサン、叱っておいてよね」
拗ねたような口調にベックマンはクスッと笑った。
「……了解した」
バタン、と音がしてバスルームから素っ裸のシャンクスが出てきた。ベッドの上の二人を見て一瞬ムッとする。
「人のベッドでなにしてる」
「アンタの言いつけどおり、手錠を外していただけだが」
「ふん、で、外れたのか?」
エースは手を上げてプラプラと振ってみせた。
「だったらさっさとベッドから降りろ」
唇を尖らせて言うシャンクスにエースはブハッと噴出し、それから風呂を借りるよ、とベッドから降りてバスルームへと入って行った。
「お頭」
「なんだ?」
「オフザケも結構だが、程ほどにしないと火傷するぞ」
「待て」
シャンクスは立ち上がろうとしたベックマンを引き止め、それからゴロリと横になりベックマンの膝に頭を乗せた。
「何のマネだ?」
「……」
「退いてくれ、アンタ髪がびしょ濡れじゃないか。俺の服が濡れちまう」
「……」
「……」
「……」
「……プッ…クク、クククッ……」
先に噴出したのはベックマンのほうで、シャンクスの頭をベッドに落とすとさっさと立ち上がりドアへと向かった。
「服を着たら上に上がって来い。宴会をするんだろう?」
静かに閉められたドアに枕を投げつけ、シャンクスはくしゃくしゃとタオルで髪を拭きながら唸った。
妬くかと思ったのに。
「チクショーッ」
ふがああ!と勢い良く髪を拭くシャンクスは、先ほどまでお遊びに色を添えてくれていたオモチャがなくなっていることにまだ気付いていない。
副船長のブリーチのポケットに忍ばされたそのオモチャは、エースが船を離れた後、依頼通り船長へのお仕置きに使われたのだった。
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