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マルA!
「うっ……」
初めは何をされたのか判断できなかったようだが、すぐにキスをされたのだと気づいたエースはジタバタと手を振りまわして何とかサッチを引き剥がそうともがいた。
「むううううっ!!!んがっ!」
背中を叩かれシャツを引っ張られ、それでもサッチは離れずにエースの腰に手を回して更にぐぐっと引き寄せた。その次の瞬間、
「っ!!!むぐぁぁっ!!」
弾かれたようにエースから離れたサッチが床を転げまわる。
「エーヒュッ!な、なんてことすんらっ!!!」
「うるせーっ!」
選りにも選って、マルコの前でっ!!
エースの顔は赤を通り越して紫色に近くなっている。ぶるぶると震える拳を握ってエースがサッチに掴みかかろうと足を踏み出した途端、
「ふぎゃっ!」
ガシッとサッチの自慢のリーゼントが大きな掌で握りつぶされた。
「うあああっ!俺のリーゼントっ!!」
「………………サッチ」
低く唸るような声と、冷え冷えする様な怒気にサッチだけでなくエースまでもが固まった。
「お前……何してくれてんだよい……」
普段から半眼のマルコの目が更に細くなり、サッチのリーゼントを掴んだまま見下ろしている。
「……お前がそんなに手癖が悪いとは思わなかったがなァ……?」
「ふんっ、手癖が悪ぃとか、マルコには言われたくねえぞ」
「なんだと?」
「言葉より先に手ぇ付けてんのはオメエの方だろうが」
サッチはマルコの手を弾いて睨み返した。口の中が痛いのか、少々もごもごしたしゃべり方になっているのが何とも情けないが。
「なんでエースに手ぇ出してマルコに怒られなきゃいけねえんだ」
「……エースが嫌がってるだろい」
「抵抗出来ねえほどエースは弱くねえぞ。現にこうして…口ン中焼かれたしよう」
ンが、と開けたサッチの口の中はやけどで白くなっていた。
「マルコよぉ、お前が怒る理由をちゃんとエースに教えてやれ」
「……」
マルコの視線がエースに向けられた。
「焼いたのかい」
「だ、だって……サッチが……」
「良くやったよい」
「へ?」
クシャリと頭を撫でられて、エースは目を見開いた。マルコはつかつかと部屋の入り口へと向かい、ドアを開くとサッチの襟首を掴んでポイっと外に投げ捨てた。
「うぎゃっ!イテえな!何すんだ!」
「ご苦労さん」
廊下に転がったサッチに一言投げかけて、マルコはバタンとドアを閉めた。
カチリ。
鍵のかかる音に苦笑してサッチは立ちあがった。朴念仁のマルコであっても流石にもう下手は打つまい。
「感謝しろよ、親友」
置き土産にマルコの部屋のドアをドカッと蹴り飛ばし、サッチは焼かれた口を冷やすための氷を貰いにギャレーへと向かった。
「エース」
「はいぃっ」
腕を組んでドアに寄りかかり、眉を寄せて自分を見ているマルコを、エースは少々怯えつつ窺った。
「サッチに何を話したんだよい」
「あ……え、と……」
ヤバい、怒られる。
「ご、ごめんなさい」
「謝れとは言ってねえ」
そっとマルコの顔を見れば、怒っていると言うよりも、なんだか少し困っているように見えた。
「怒らねえから、言ってみろよい」
「……………………マルコと、寝たって」
「そうかい」
「……ごめん」
「謝る必要はねえ」
「でも」
「吹聴してまわる必要もねえが、別に隠す必要もねえだろい」
マルコはひょいと眉を上げ、それから「続けろ」と顎で示した。
「……マルコが…、男と、やったことあんのかなって、思って……」
聞こえないほど小さな声でそう言ったエースにマルコは肩を竦めた。
「この前、お前と寝たと思ってたんだが、ありゃ夢かい?」
マルコの指の背がエースの頬をスッと撫でた。
「っ……!だから、そのっ……お、俺以外の……」
「サッチはなんて言ってた?」
「知らねえって」
「……ふうん」
マルコは僅かに目を細めた後、ククッと喉を鳴らして笑った。
「エース」
「う、ん?」
「気になるかい」
少し迷った後、エースはコクリと頷いた。
指先でちょいちょい、と呼ばれてエースはふらりとマルコに近寄った。マルコの手がエースの首を撫で、それから頬を覆った。
「お前以外のヤツの事は」
後頭部に回された手がぐっとエースを引き寄せる。
「覚えてねえな」
「っ……!なんだよっ、それ……んっ」
口を塞がれ、腰を抱き寄せられた。思わず逃げようとしたエースの手にマルコの手が絡まる。引きずるようにベッドに連れていかれてシーツに倒れ込んだ。
「う、んっ……あ」
ギュッと目をつぶりマルコのシャツを握りしめるエースを薄目で見ていたマルコの口元に笑みが浮かぶ。
「エース」
「はっ……あ」
「お前も俺の事だけ覚えてろよい」
他のヤツのキスなんざ忘れちまえ、と再びエースの口を塞いだ。
「だからなんで俺に報告に来るんだよっ!」
珍しくエースが着ているシャツの襟元から覗く痕を目にして、心底うんざりしたようにサッチが唸った。
「だってサッチには迷惑かけたしさー」
口ン中火傷させちまったしさ、とエースが満面の笑みを浮かべて言った。
迷惑掛けた自覚があるなら何故また俺のところに来る……だから聞きたくねえんだよ、マルコのシモの事情なんざ。
「いやぁ、マルコがあんなに饒舌だなんておもわなかった……」
頬を赤く染めながらエースが言う。
「ほお……」
お幸せそうで何より。しかし最中に饒舌ってよ、ドスケベじゃねえか、マルコの野郎。
「で、ちゃんと言ってもらえたのか?」
「………………うん」
えへへへへ、と笑うエースがあんまり嬉しそうで。 マイッタ。こんな顔されちゃ、文句も言えねえ。
「そりゃ、良かったなぁ」
「うん。ありがとう」
「良かったなァ!コンチクショーッ!」
サッチがエースの頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でると、エースがぎゃはははは、と声を上げて笑った。
「エース!」
顔を上げれば、クォーターデッキにマルコが立っている。二人が顔を上げたのを見て、ちょいちょいと指先を動かす。
「旦那がお呼びだぜ、エース」
「おお」
嬉しそうに駆け上がっていくエースを見送り、サッチは空を仰いだ。
なんにせよ、末っ子が笑っているのが一番だ。
「さぁて、今日こそ洗濯すっぞー!!」
ぶんぶんと腕を回しながらサッチは鼻歌交じりに甲板を後にした。
初めは何をされたのか判断できなかったようだが、すぐにキスをされたのだと気づいたエースはジタバタと手を振りまわして何とかサッチを引き剥がそうともがいた。
「むううううっ!!!んがっ!」
背中を叩かれシャツを引っ張られ、それでもサッチは離れずにエースの腰に手を回して更にぐぐっと引き寄せた。その次の瞬間、
「っ!!!むぐぁぁっ!!」
弾かれたようにエースから離れたサッチが床を転げまわる。
「エーヒュッ!な、なんてことすんらっ!!!」
「うるせーっ!」
選りにも選って、マルコの前でっ!!
エースの顔は赤を通り越して紫色に近くなっている。ぶるぶると震える拳を握ってエースがサッチに掴みかかろうと足を踏み出した途端、
「ふぎゃっ!」
ガシッとサッチの自慢のリーゼントが大きな掌で握りつぶされた。
「うあああっ!俺のリーゼントっ!!」
「………………サッチ」
低く唸るような声と、冷え冷えする様な怒気にサッチだけでなくエースまでもが固まった。
「お前……何してくれてんだよい……」
普段から半眼のマルコの目が更に細くなり、サッチのリーゼントを掴んだまま見下ろしている。
「……お前がそんなに手癖が悪いとは思わなかったがなァ……?」
「ふんっ、手癖が悪ぃとか、マルコには言われたくねえぞ」
「なんだと?」
「言葉より先に手ぇ付けてんのはオメエの方だろうが」
サッチはマルコの手を弾いて睨み返した。口の中が痛いのか、少々もごもごしたしゃべり方になっているのが何とも情けないが。
「なんでエースに手ぇ出してマルコに怒られなきゃいけねえんだ」
「……エースが嫌がってるだろい」
「抵抗出来ねえほどエースは弱くねえぞ。現にこうして…口ン中焼かれたしよう」
ンが、と開けたサッチの口の中はやけどで白くなっていた。
「マルコよぉ、お前が怒る理由をちゃんとエースに教えてやれ」
「……」
マルコの視線がエースに向けられた。
「焼いたのかい」
「だ、だって……サッチが……」
「良くやったよい」
「へ?」
クシャリと頭を撫でられて、エースは目を見開いた。マルコはつかつかと部屋の入り口へと向かい、ドアを開くとサッチの襟首を掴んでポイっと外に投げ捨てた。
「うぎゃっ!イテえな!何すんだ!」
「ご苦労さん」
廊下に転がったサッチに一言投げかけて、マルコはバタンとドアを閉めた。
カチリ。
鍵のかかる音に苦笑してサッチは立ちあがった。朴念仁のマルコであっても流石にもう下手は打つまい。
「感謝しろよ、親友」
置き土産にマルコの部屋のドアをドカッと蹴り飛ばし、サッチは焼かれた口を冷やすための氷を貰いにギャレーへと向かった。
「エース」
「はいぃっ」
腕を組んでドアに寄りかかり、眉を寄せて自分を見ているマルコを、エースは少々怯えつつ窺った。
「サッチに何を話したんだよい」
「あ……え、と……」
ヤバい、怒られる。
「ご、ごめんなさい」
「謝れとは言ってねえ」
そっとマルコの顔を見れば、怒っていると言うよりも、なんだか少し困っているように見えた。
「怒らねえから、言ってみろよい」
「……………………マルコと、寝たって」
「そうかい」
「……ごめん」
「謝る必要はねえ」
「でも」
「吹聴してまわる必要もねえが、別に隠す必要もねえだろい」
マルコはひょいと眉を上げ、それから「続けろ」と顎で示した。
「……マルコが…、男と、やったことあんのかなって、思って……」
聞こえないほど小さな声でそう言ったエースにマルコは肩を竦めた。
「この前、お前と寝たと思ってたんだが、ありゃ夢かい?」
マルコの指の背がエースの頬をスッと撫でた。
「っ……!だから、そのっ……お、俺以外の……」
「サッチはなんて言ってた?」
「知らねえって」
「……ふうん」
マルコは僅かに目を細めた後、ククッと喉を鳴らして笑った。
「エース」
「う、ん?」
「気になるかい」
少し迷った後、エースはコクリと頷いた。
指先でちょいちょい、と呼ばれてエースはふらりとマルコに近寄った。マルコの手がエースの首を撫で、それから頬を覆った。
「お前以外のヤツの事は」
後頭部に回された手がぐっとエースを引き寄せる。
「覚えてねえな」
「っ……!なんだよっ、それ……んっ」
口を塞がれ、腰を抱き寄せられた。思わず逃げようとしたエースの手にマルコの手が絡まる。引きずるようにベッドに連れていかれてシーツに倒れ込んだ。
「う、んっ……あ」
ギュッと目をつぶりマルコのシャツを握りしめるエースを薄目で見ていたマルコの口元に笑みが浮かぶ。
「エース」
「はっ……あ」
「お前も俺の事だけ覚えてろよい」
他のヤツのキスなんざ忘れちまえ、と再びエースの口を塞いだ。
「だからなんで俺に報告に来るんだよっ!」
珍しくエースが着ているシャツの襟元から覗く痕を目にして、心底うんざりしたようにサッチが唸った。
「だってサッチには迷惑かけたしさー」
口ン中火傷させちまったしさ、とエースが満面の笑みを浮かべて言った。
迷惑掛けた自覚があるなら何故また俺のところに来る……だから聞きたくねえんだよ、マルコのシモの事情なんざ。
「いやぁ、マルコがあんなに饒舌だなんておもわなかった……」
頬を赤く染めながらエースが言う。
「ほお……」
お幸せそうで何より。しかし最中に饒舌ってよ、ドスケベじゃねえか、マルコの野郎。
「で、ちゃんと言ってもらえたのか?」
「………………うん」
えへへへへ、と笑うエースがあんまり嬉しそうで。 マイッタ。こんな顔されちゃ、文句も言えねえ。
「そりゃ、良かったなぁ」
「うん。ありがとう」
「良かったなァ!コンチクショーッ!」
サッチがエースの頭をぐしゃぐしゃと乱暴に撫でると、エースがぎゃはははは、と声を上げて笑った。
「エース!」
顔を上げれば、クォーターデッキにマルコが立っている。二人が顔を上げたのを見て、ちょいちょいと指先を動かす。
「旦那がお呼びだぜ、エース」
「おお」
嬉しそうに駆け上がっていくエースを見送り、サッチは空を仰いだ。
なんにせよ、末っ子が笑っているのが一番だ。
「さぁて、今日こそ洗濯すっぞー!!」
ぶんぶんと腕を回しながらサッチは鼻歌交じりに甲板を後にした。
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